旅行から帰ってきました。くまです。半導体の世界で、久しぶりに**「これは流れが変わるかもしれない」**と思わせるニュースが出てきましたのでまとめておきたいと思います。
大日本印刷(DNP)とキヤノンが、
「1.4ナノ世代の半導体を、消費電力10分の1で製造できる技術を2027年に実用化する」
と発表。
正直、このニュース、かなり重要です。
なぜなら
✔ 半導体の製造コスト
✔ 電力消費
✔ 日本の半導体産業の立ち位置
この3つに同時に影響する話だからです。
今回は、
「何がすごいのか」「本当に革命なのか」「誰が得するのか」
を、できるだけ分かりやすく解説します。
そもそも「1.4ナノ」ってどれくらいヤバい?
半導体の「〇ナノ」というのは、回路の細かさの世代を表します。
- 5nm → 3nm → 2nm → 1.4nm
- ここまで来ると、原子数個レベルの世界
現在の最先端でも、製造は超絶難易度。
理由はシンプルで、
👉 細かくすればするほど、装置が巨大・高価・電力ドカ食いになる
という地獄のような構造だからです。
今までの王者「EUV露光」の問題点
今の最先端半導体は、
EUV(極端紫外線)露光装置という方法で作られています。
ただしこのEUV、問題だらけ。
- 装置1台 300億円超
- 工場丸ごとで莫大な電力消費
- 作れるメーカーはほぼ ASML一社依存
つまり、
「最先端半導体=金と電力を大量に食う超貴族産業」
になっているわけです。
そこで登場「ナノインプリント」という別ルート
今回DNPとキヤノンが出してきたのが、
ナノインプリントリソグラフィ(NIL)
簡単に言うと、
光で描くのではなく
ハンコのように“型押し”する半導体製造
ここがポイント
- 強烈な光源がいらない
- 装置構造がシンプル
- 消費電力が激減
結果として、
👉 製造時の電力が約10分の1
という話につながります。
DNPとキヤノンの役割分担が美しい
ここ、個人的に一番「日本らしくて強い」と思った点です。
- DNP
→ 1.4ナノ対応の超精密「型(テンプレート)」を作る - キヤノン
→ その型を使う製造装置を作る
つまり、
材料 × 装置
両方を日本企業で押さえにいっている
という構図。
これは久々に
「日本のものづくりが正面から勝負してる感」
があります。
2027年実用化は「現実的」なのか?
正直な話をします。
👉 いきなりTSMCの最先端ロジックを置き換えるのは難しい
ただし、
- NANDフラッシュ
- 一部ロジック
- AI向け特定用途チップ
- 低消費電力が最優先な分野
こうしたところから部分的に入っていく可能性は十分ある。
特に今は、
- データセンターの電力不足
- 半導体製造の脱炭素圧力
が強烈なので、
「多少性能より、電力とコストが安い方がいい」
という需要は確実に存在します。
このニュースで得をするのは誰?
短期的
- DNP
- キヤノン
→ 技術期待・テーマ株として注目されやすい
中長期
- 半導体メーカー(製造コスト低下)
- データセンター事業者(間接的な省エネ)
- 日本の半導体関連産業全体
まとめ:これは「静かな革命」かもしれない
今回の話は、
- 派手に世界をひっくり返す
というより - 気づいたら業界の選択肢が増えている
タイプの技術です。
でもこういう技術こそ、
数年後に振り返ると、
「あれが転換点だったよね」
と言われがち。
2027年、
“半導体は光で作るもの”という常識が、少しずつ崩れ始めるかもしれません。
くまも今後も続報が出たら、追いかけていきます。



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