こんにちは、くまです。くまが注目している企業にGroqがあります。Groqは、大規模言語モデル(LLM)向けに特化した「LPU(Language Processing Unit)」を開発する米国のAI半導体ベンチャーです。2016年に元GoogleエンジニアのJonathan Ross氏が設立し、従来のGPUを超える圧倒的な推論速度で注目を集めています。まだ上場しておらず、上場したら買ってみたい銘柄です。
1. 革新技術「LPU」の核心
LPUはAI推論専用に設計されたプロセッサで、以下の特徴を持ちます:
- 驚異的な処理速度:最大500トークン/秒(従来GPUの10~25倍)
- 決定論的レイテンシ:応答時間をナノ秒単位で制御可能
- 直線的な拡張性:複数チップを組み合わせて性能をリニアに向上
- コスト効率:同等ワークロードで運用コスト1/10
▼GPUとの比較表
項目 | Groq LPU | NVIDIA GPU |
---|---|---|
最大トークン/秒 | 500 | 18(Microsoft実績) |
電力効率 | 30 TFLOPS/W | 5 TFLOPS/W |
メモリ帯域幅 | 80TB/s | 2TB/s |
2. 市場での実績と導入事例
- TotalEnergies(仏エネルギー企業):従来比200倍の計算速度を達成
- 金融機関:リアルタイム不正検知システムに採用
- 国防分野:AI駆動の戦略シミュレーションで活用
- クラウドサービス「GroqCloud」:OpenAI互換APIで開発者向け提供
3. IPO(新規上場)の現状と展望
▼資金調達状況
- 累計調達額:約10億ドル(2024年8月時点)
- 主要投資家:BlackRock、Tiger Global、サウジアラビア政府
- 企業価値:28億ドル(2024年シリーズDラウンド後)
▼上場延期の背景
2024年に予測されていた米国IPOは、半導体市況の悪化と利上げ懸念により延期。ただし、2025年8月にサウジアラビアから15億ドルの資金調達を完了し、2026年上場を視野に拡張を続けています。
4. 今後の戦略ロードマップ
- 生産計画:2025年末までにLPUチップ1.5万個を展開
- 技術開発:3nmプロセスへの移行(三星電子と提携)
- グローバル展開:中東・アジア市場向けデータセンター建設
- パートナーシップ:AMDとの協業でサーバー製品を拡充
まとめ:AIチップ戦争の「ダークホース」
Groqは「AI推論の高速化」というニッチ領域で圧倒的な優位性を確立。IPO延期はあるものの、サウジ資本の後押しと技術力で2026年までの上場が有力視されています。AIリアルタイム化が進む医療・金融・自動運転分野での需要拡大が追い風となり、次世代半導体スタンダードを目指す動向から目が離せません。
(2025年6月時点の情報

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