こんにちは、くまです。
以前「AI設備投資の恩恵は半導体だけでなく、電力インフラにも広がっている」という話をした際、電力会社Vistraの名前を少し出しましたが、その続報と言えるニュースが出てきました。
1. 米政府がVistraに42億ドルの融資
10月3日、米エネルギー省がVistra社に約42億ドルの融資を提供する計画が明らかになりました。エネルギー長官のクリス・ライト氏が、オハイオ州にある同社の原子力発電所の敷地で発表しています。
目的は、既存の原子力発電所の出力を増強する「アップレート」と呼ばれる工事です。少なくとも4拠点のうち3拠点(Perry・Davis-Besse・Beaver Valley)が対象で、原子力規制委員会(NRC)の新規承認が不要な形のため、比較的スピーディーに進められる見込みです。
2. なぜ今、原発の出力増強なのか
AIデータセンターの拡大、電化の進展、暗号資産マイニングなどが、電力需要を押し上げている背景があります。ホワイトハウスは、原子力発電の拡張をデータセンター向け電力確保の柱の一つと位置付けており、安価な電力源として経済成長や国内製造業を支える狙いもあるとされています。
3. Vistraの原子力発電規模
Vistraは4つの発電所に6基の原子炉を保有し、合計6.5ギガワット超(約325万世帯分の電力に相当)の発電能力を持っています。今回の融資対象である3拠点(青色)に加え、グレーで示したComanche Peak(2,300MW)は対象外ですが、実はこちらは以前取り上げた「Metaとの20年間の電力購入契約(PPA)」の舞台でもあります。契約は1,200メガワットを2027年末から供給開始し、2032年にフル稼働という内容でした。同じ会社の原発が、形を変えて何度もAI関連のニュースに登場している格好です。
4. 株価は複雑な反応
発表前のVistra株はおよそ137ドル。しかし報道が流れた直後は一時135.79ドルまで下落し、その後持ち直して139.20ドル(前日比-0.3%)で取引を終えました。「政府からの融資」という一見分かりやすい好材料にもかかわらず、最初はやや売られる場面があったのは興味深いところです。
まとめ
AI需要の裏側では、半導体だけでなく電力網そのものへの投資も本格化しています。政府が原子力発電の出力増強を直接後押しする動きは、今後ほかの電力会社にも広がっていく可能性があり、「AI投資の恩恵株」を探すうえで引き続き注目しておきたいテーマです。


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